Monday, January 31, 2011

ソーシャル・オーサリングツール

最近は、第二のソーシャルネットワークブームです。モバゲー・グリーに始まり、mixiのサンシャイン牧場とかFacebookのCitVilleなんて、やりはじめたら本当に中毒性があります。

さて、次に何がブームになるか少し考えてみました。

タイトルにもあるようにソーシャル・オーサリングツールが流行るのでは思ったりしています。

ソーシャルゲームをやっていて思うのは、何10時間も費やしてレベルを上げたあとで、「一体何やってんだろう?こんなに忙しいのに。。。」と罪悪感にかられることです。ゲームは確かに面白いですけど、生産性がないということに気づくと、ものすごい脱力感に襲われます。あの一日中テレビをみて過ごしてしまった日曜日の午後のような気分です。

これが、例えばプログラミング言語であるとか、コンピューターグラフィックスであれば、もしかするとその能力が役に立って、誰かから褒めてもらえたり、お金がもらえたりすることもあります。

しかし、こういった市場価値が高い能力は、身につけるのがなかなか苦痛で、嫌な人にとってはある種の苦行のように感じるはずです。例えば、英単語を20000語覚えるなんて、暗記が嫌いな人にとってみれば拷問です。

そこで、ソーシャル・オーサリングツール、ソーシャル・IDE、ソーシャル・学習ツールなどを作ってはどうかと思いました。

なんとなく遊んでいるうちにプログラミングが出来るようになって、それを誰かが買ってくれるようなプラットフォームを作れば、仕事と遊びを両立できたりするんじゃないでしょうか。あとは、ソフトウェアでお絵かきをして、それをそのまま公開すると誰かが買ってくれるとか、というのも面白そうです。それから、音楽なんかでも面白いことが出来そうですね。

特に、ゲームの要素が重要だと思っています。ソーシャルゲームに中毒性がある理由のひとつは、使った時間に応じて経験値が目に見えて上がるところです。レベルを友達に自慢できて優越感にひたれます。それに比べて学習は、経験値とかレベルが目に見えません。だから、資格をとるとか出来上がった作品を見せるしか、自分のレベルを自慢できないです。

しかも、自慢できるほどレベルを上げるには、気が遠くなるほど時間をつぎ込まないといけないです。だから、やる気にならないという負のサイクルがあります。それに比べてソーシャルゲームは、特にGreeやモバゲーのゲームは、クリックしているだけでレベルがあがる単純作業なのに、一般のひとを何十時間も虜にして、ついに廃人を生み出すほどの魅力があります。

つまり、なんとかそのゲームの魅力を、生産的な作業に使えないものかというのがアイデアの肝です。

すでに、単体でソーシャル機能をもった画像アップロードサイトとかプログラミングならGithubとか、動画ならニコニコ動画もそれに近いことをしていますけど、やっぱり初心者には敷居が高いです。それは、オーサリングツールとサイトの疎結合によるものだと思います。それをブラウザ上でできるくらいに簡単にして、しかもFacebookとかMixiなどのメジャーどころのプラットフォームで公開して、さらにゲーム的要素を加えて、しかも現金に準ずるの報酬をもらえるようにすると面白いのではないかと思ったりします。

例えば、Amazon Mechanical TurkにMinecraftとかSecondlifeとかの要素を加えるような組み合わせが一例です。他にもまだまだ組み合わせが考えられそうです。

そうえば、Greeとモバゲーへの規制の話が出ていましたが、安易な規制は新しいガラパゴスを生むだけなので控えめにして欲しいと思ったりします。日本のケータイ電話がガラパゴスの焦土化したいま、日本のIT業界で先端を走っているのはソーシャルゲームだけに思えたりします。わざわざ規制するのではなく、海外の若者をも虜にしたらいいんじゃないですかね。

Saturday, January 22, 2011

他の企業がFacebookに勝つには?

Facebookがついにトラヒック量でGoogleを追い抜いたというニュースが流れました。あれほど巨大で磐石だと思われていたGoogleにもついに転換点がきたというのは本当に衝撃です。しかもたった数百人の企業にその座を奪われるとは予想もつきませんでした。

さて、いまトップに立ったFacebookに他の企業が勝つためのシナリオをいくつか考えてみたので書いてみます。

まず、数あるソーシャルネットワークのなかでFacebookが一番になった最大の要因はアクティブユーザ数だと思います。特にMixiやその他のソーシャルネットワークでは、実名の登録をしないために亡霊のようなアカウントが増えていきます。不要になったら簡単に新しいアカウントを作れるのでネットワークの結びつきが希薄になってユーザが簡単にネットワークを離れていってしまいます。この問題を大学の卒業生ネットワークという形でクリアしたところで、ロイアリティのあるユーザを多く抱えることに成功してたのがFacebookのすごいところだと思います。実際に大学を卒業してしまうと連絡が取れなくなってしまうことが多いですが、Facebookが自動更新される卒業アルバムのような役割を担っているおかげで、懐かしい友達といつでもコンタクトをとれるようになりました。

他のソーシャルネットワークのなかでFacebookを打ち負かすことができるとすれば、中国系のrenrenかQzoneだと思います。いま、中国のインターネット人口はものすごい勢いでふくれあがっているので、Facebookの中国語対応が悪ければor中国政府がFacebookをブロックし続ければQzoneがユーザ数トップになる日がくるかもしれません。Facebookは現在5億人のアクティブユーザがいるといわれていますが、Qzoneも2009年の時点で2億人を超えているので、良い勝負を繰り広げることでしょう。Facebookのローカライズは、いまいちうまくいっていない印象で、日本人も英語を直訳したようなインターフェースにへきへきしている人がいるでしょうから、特に中国ローカライズは、生き残りのために必須だと思います。

GoogleがFacebookに勝つための鍵となるのは、あきらかにAndroidだと思います。いまでもユーザは、Facebook、mixi、Twitter、モバゲーを使い分けているわけなので、これを同期させたり、情報の流れを整理できるようなキラーアプリを作ればFacebookに勝てる可能性があります。幸いにもiPhoneがFlashを切り捨てているので、Flashがメインのケータイアプリを取り込めれば、勝機があります。ユーザは、誰かと繋がりたい欲望と、個人情報が晒される脅威のバランスの上でインターネットを使っています。一旦、インターネットのどこかに情報を公開してしまえば、たとえソーシャルネットであっても暴露される可能性がゼロではありません。それが携帯端末上であれば、そして個人の管理がしっかりしていれば、なんとか保護する仕組みを作れるかもしれません。ただしかし、これはいわゆるGoogleが進めているSaaSやクラウドに反する考え方なので、Googleが導入するには英断が必要でしょうけど。。。

それにしてもこの分野は、技術の進歩が早くて面白いですね。

Saturday, January 8, 2011

日本のケータイがiPhoneとAndroidに勝るもの

iPhoneとAndroidを使ってみると日本のケータイの良さが見えてきます。

日本のケータイが圧倒的にまさるものは、メールだと思います。日本のメールのリアルタイム性と確実性は、ちょっと異常なくらいハイクオリティだと思いました。日本でケータイを使っていると、メールが届くのは当たり前だし、メールが数分遅れると腹が立ちますけど、そのクオリティのメールサービスは世界のどこを探しても存在しないと思います。

iPhoneとAndroidには、SMSやMMSを受信できる機能がありますけど、あくまで電話からの送信に限られている上に、インターネットのメールアドレスから送ることができません。それに比べて、日本のケータイは、インターネットから送ったメールが数秒で携帯のメールボックスにダウンロードされて、しかもNotificationまでやってくれる親切設計です。ケータイの初期のころにCDMAがIMAPメールを採用していて、ひんしゅくを買ってボロ負けしていましたけど、iPhoneとAndroidのメールはいまだにそのレベルに留まっています。

確かに日本のiPhoneは、@softbank.ne.jpドメインのメールをMMSで受けられますけど、それは日本に限った話で海外のキャリアで実現出来ていないように思われます。日本クオリティのメールは、SMSのシグナリングと頑強なメールサーバという組み合わせで成りたっているので、キャリアがサポートしないと同じようなサービスが作れないのだと思います。国内キャリアが、メーラーとセットで海外に売り込んだりしたら、売れると思います。

Nexus SというかAndroidの感想

Nexus SというかAndroidを使ってみての感想を書いてみます。

まず、完成度は明らかにiPhoneに劣ると思います。戻るボタン押しているとアプリからOSの画面に戻ってしまうことにものすごく違和感を感じます。ボタンをホームボタンひとつにしているiPhoneは混乱が少ない良いハードだと感じました。

Androidのアプリの中で圧倒的に便利なのはナビとマップだと思います。正直な感想としては、Googleのサービスのなかで最も進化しつづけているのが地図サービスだと思いました。これからLocationによるサービスが増えてくるとすると、バックの地図インフラとしてはGoogleをしのぐ企業はしばらく現れないのではと思うほどの出来栄えだと思います。GoogleがiPhoneにナビを出し惜しむ気持ちがよく理解できます。AndroidはMapを中心としたOSに進化していくのではと空想するほどです。

一方、Googleのお家芸であるWebサービスを提供するブラウザは、まだまだ発展途上であると感じます。個人的な感想としては、Operaが一番サクサクしているように感じますが、タッチデバイスとの相性のせいでイライラさせられることが多いです。PCのブラウザではChromeがシェアを伸ばしているので、Chromeを移植すれば良いのではと思いますが、Chrome OSを計画している手前、それができない社内事情があるのではと思いました。大企業って大変ですね。

さらにもう一つ致命的に感じるのは、文字入力です。デフォルトで入力可能な言語がAppleに比べて圧倒的に少ないです。日本語を入力するためにWnnやSimejiをインストールしてみても、OSとの相性が悪くてクラッシュしたりすることがいまだにあります。

まとめると、Googleは、良くも悪くもゲリラ的で個々に光るものがあるものの統一感がなく、Appleは、ユーザインターフェースからすべてが統一されていて全体として美しいものの個性が光る部品がないように思えました。開発者の目から見るとやはりGoogleの方が良いように思うので、今後のシェアは3:7くらいに落ち着くのかなと思っています。Googleが勝つには、ブラウザの改善が不可欠だと思いました。Appleは、いまのライセンス戦略ではシェア3割が最大だと思うので、携帯のほかにセットトップボックスとかナビ専用端末とかとにかく新しい分野を開拓するしかないでしょうね。